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旅カメラと共に

DP2 Merrill・Leicaあたりで撮っているらしい

海外旅行向きのレンズは何か? 単焦点28mmを持って世界へ (XF18mmF2 R 作例)

 海外旅行にはどのようなレンズを持って行きますか? 写真好きの方は、すでにお気に入りのレンズがあるという人もいるでしょう。その一方で何となくカメラに付いていたレンズを持って行く人も多いのではないでしょうか。 

 ミラーレスのデジタルカメラは今やデジカメ市場の中心にいます。キヤノンのEOS M、ソニーのNEX、αシリーズ、オリンパスのPEN、OM-Dシリーズ、富士フイルムのXシリーズ、パナソニックLUMIXシリーズなどがその典型です。

  これらのボディはいずれも軽量で、レンズもコンパクトなものを付けたくなります。ところが、ボディにセットで付いてくるズームレンズは、お手軽が故に光を多く取り込めないF値の大きいレンズが多く、そのためボケを作りにくいのです(例えばEOS M2のレンズキットとして付属するEF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STMというレンズは、望遠域でF5.6という性能ですが、そのクラスの単焦点標準レンズから4段階絞り込んだ暗さに相当します)。また描写も今ひとつというものが多いです。こうなると腕がある人でも良い写真をひねり出すのは相当苦労するところです。

  したがって、初心者の方であってもキットレンズに頼らず、単焦点レンズを追加することは大いにお勧めなのです。単焦点レンズはサイズ感からしてもミラーレスに合いますし、ボケを生かしやすい良レンズが多く、大いに活躍してくれることでしょう。

  ただ、いざ買おうとすると困ることもあります。例えば、ズームレンズを中心に使っているとあまり意識しない言葉があります。広角、標準、望遠という言葉です。ズームレンズを使っていると何の意識もなく撮れる範囲(画角)が決まってしまうので、商品宣伝には「望遠ズームレンズ」と書いてあっても、実際のところ「望遠」という言葉をあまり意識しない人がほとんどなのではないでしょうか。

  しかしながら、単焦点という画角を変えられないレンズにおいては、どの画角のレンズを選ぶかが、どのような写真を撮るかのキーとなってきます。

   一般には50mmあたりを標準と呼ぶことが多く、写真学校でも最初の一本は50mmだったということもあるようです。また、レンズが交換できないコンパクトカメラでは35mmのレンズを備えたものが多くありました(ニコン35TiCONTAX T3+Sonnar T* 2.8/35など←いいカメラです!)。35mmだと自然な風景も広く一枚の写真に落とし込め、近寄ればボケを生かすことができるなど、何かと便利な画角と言えます。いかにも観光!という場面でも、記念写真!という場面でも活躍してくれます。

  ただ今回取り上げたいのは、35mmよりもちょっと広い28mmという画角のレンズのことです。ちなみにセンサーがAPS-Cサイズのデジタルカメラでは、18mmと表示してあるレンズぐらいが、フルサイズでいうところの28mmの画角となってきます。富士フイルムX-Pro1にフジノンXF18mmF2 Rの組み合わせを例にご紹介していきましょう。

※28mm以外の画角についての紹介はこちらの記事(旅行向きの単焦点レンズを選ぼう )をご覧下さい! 

 

28mmレンズの特徴とは

FUJIFILM X-Pro1 + フジノンレンズ XF18mmF2 R オランダ・アムステルダム上空)f:id:koza-photo:20130928141853j:plain

   28mmというのは、35mmよりも見た目に近い印象で、大自然など迫力ある眺望を一枚に納める力を持つ画角です。35mmよりも世界の広がりが感じられ、力強さを感じられると同時に、21mmほど誇張しすぎずいやらしさも少ないと言えます。 

  超広角で写真を撮ると、非常にインパクトのある絵は撮れるのですが、押しつけがましくて興ざめとなることも否定できません。そういう意味で28mmは素直な画角と言えるでしょう。

  一方で35mmは、少し広さを感じさせつつ世界を捨象することもできるので、個性や主観といったものが絵に込めやすいというところがあります(ただこの面ではボケが生かせる50mmに負ける面もあります)。その点で28mmは、少し空間に間が空いたりして、35mmよりもメッセージ性が込めにくい難しさがあります。

 したがって、28mmは自然の大パノラマなど、風景を被写体にした場面では問題無く活躍してくれますが、それ以外の場面では撮影者の腕に左右される部分がでてくるのです。

 と、聞くと、難しそうだから止めておこうという風に思ってしまうかもしれませんが、あえてレンズ交換式のカメラをお持ちなら、むしろここを攻略できると写真が面白くなると考え直してみてはどうでしょうか? 

 

 28mmレンズを攻略する

FUJIFILM X-Pro1 + フジノンレンズ XF18mmF2 R アムステルダムスキポール空港f:id:koza-photo:20130922011100j:plain

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 画角の広さ故に余白が出来たり、空間が広がるというのは、それだけ雑な要素が入りがちだということになります。一番下の写真で、SUSHI BARの周りに人が入り込んでいたらあまり絵にならなかったでしょう。ちなみに、スキポール空港のこのSUSHI BARには日本人も働いていらっしゃるとのことで、パティシエをやられていた方だそうです……。

 スキポール空港はヨーロッパを代表するハブ空港です。したがって多くの人が往来していて常にごった返しています。しかし多少待てば、狙い通りになる瞬間は必ずやってきます。逆に前を横切る方のシルエットがとても面白いこともあるでしょう。写真の中の要素をどう除外し、どう入れていくかという戦略性が28mmでは特に生きてきます。(「そんな待ちの姿勢は気にくわないぜ」という熱いポリシーの方には50mmあたりが向いているかもしれません → 旅行向きの単焦点レンズを選ぼう )

 安直にズームレンズを使っていると、つい待つということを忘れます。なかなか機会の無い旅先だからこそ素晴らしい瞬間を待つべきでしょう。

 

FUJIFILM X-Pro1 + フジノンレンズ XF18mmF2 R フランス・ルルドf:id:koza-photo:20130923154142j:plain

 陰影を使うというのも戦略の一つです。広がりがあるのなら、そこを影で埋め尽くし、ピンポイントに光を置くことでターゲットを引き立たせることができます。上の写真で35mmを使った場合、窓と椅子の距離感と空間の広がりが伝わりません。28mmだからこそ見た目に自然で、かつ意図を持った絵になります。陰影による戦略がマッチする画角なのです。

 そしてXF18mmF2Rは、その意図に沿った絵作りをしてくれるので、とても心強いですね。

 こうして、28mmを使いこなすことで、写真の面白さというものや撮影の戦略性というものが見えてくるのです。

 

 海外旅行での街スナップで使う

FUJIFILM X-Pro1 + フジノンレンズ XF18mmF2 R フランス・ボルドー市内) f:id:koza-photo:20130927042101j:plain

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  海外旅行で写真を撮るとき、都市でのスナップを撮ることも多いのではないでしょうか。街で写真を撮ってみると、案外道路の向こうまでの距離が短いことに気づかされます。歴史ある狭い路地の多い街なら尚更です。そのため人の体も中途半端に切れてしまって、何を撮ろうとしていたのか訳が分からなくなることもしばしば起きます。

 看板や窓、自転車などをピンポイントで狙いたいなら標準から少し望遠気味のレンズをチョイスすることによって、非常に個性的な写真が撮れます。これはこれで楽しいでしょう。

 一方、街の風景をありのままに撮りつつ、撮影の面白さを楽しみたいということなら、28mmが一番面白いと思います。

 

 とはいえ難しい28mm

 FUJIFILM X-Pro1 + フジノンレンズ XF18mmF2 R フランス・ボルドー・ブルス広場)f:id:koza-photo:20130928015344j:plain

 パースを強調した表現や、ボケを使った抽象的な表現が使えない分、28mmというのはとても難しい画角で、カメラ好きの人の間でも苦手とする人が少なくありません。

 だからこそこの画角を攻め落としてみることが、とてもいい海外旅行写真を撮ることの一歩になると思います。これができれば、きっと他のレンズを使っても良い写真を撮ることができることでしょう。ぜひ28mmレンズを楽しんでみてください!